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食品科学科

食品科学科のようす


はじめに

 食品を加工することは、もともと「食品を保存する」という生きるための技術から始まりました。 食品を加工し、長期間の貯蔵や輸送に耐えられるようにすることで、狩猟・採集ができる時期以外でも 飢餓に陥ることは少なくなり、住みやすい土地を求めて人々が各地へ広がることを可能としました。  やがて技術が進むにつれ「食べやすくする」「安全性を高める」などの目的が新たに生まれ、今日まで発展してきました。
 現在では、伝統的な保存食品である農水畜産物の乾物や燻製・塩蔵品、比較的新しい技術であるジャムや、 保存性を追求した缶詰・レトルト食品やフリーズドライ食品、そして保存性と食べやすさを両立させた冷凍食品、 さらには安全性に機能性を加えた 保健機能食品や特別用途食品などが開発され、世界中で利用されています。
 食品科学科では、このような食品の加工技術や、製造に必要な科学的知識を学びます。たとえば味噌を造る場合、 原料の仕込みや機器の操作など、高品質の製品を大量に作るためには食品加工の知識・技術が必要となります。 また、製造の過程においては発酵という現象によって製品ができあがっていくのですが、コウジカビ・酵母・乳酸菌などが 働くことによって独特の風味が生まれます。発酵を理解することで、適切な温度管理や品質の保たれた製品を作ることができます。
 そして、この発酵という現象ではタンパク質がアミノ酸に変化したり、アミノ酸と糖が反応して色素ができたり、 微生物の働きでいろいろな芳香性物質ができたりするのですが、このような反応を理解するには食品化学の知識が不可欠です。
 もちろん、自分で作って自分で消費するだけなら知識はなくとも市販の本などを参考にして製造することは可能です。 しかし、私たちが学ぶのは食品を製造して製品化するプロセスであり、その先には消費者が存在します。 消費者に受け入れられるような高品質で安全性の高い製品を持続的に製造するということは想像以上に大変なことなのです。
 また、食品科学科では未利用資源の利用方法の模索についても真剣に取り組んでいます。 本来ならば廃棄されている食品残渣を利用して新たな食品を開発したり、化石燃料に代わるエネルギーを取り出したり。工夫をすることで毎年新しい発見に出会えます。

将来、「食品産業で働きたい」「調理師を目指したい」「管理栄養士になりたい」などと考えているとしたら、食品科学科で基礎的な知識・技術を学習してみてはいかがですか?

教育目標

食品の加工、貯蔵、品質管理及び食品衛生に関する知識と技術を習得させ、食品にかかわる業務に従事する者として必要な能力を育成する。

コース

※2年次より下記の2コースに分かれて学習します

  • 食品加工コース

  • 栄養科学コース

学習内容

食品加工
食品の加工と貯蔵、及び食生活の充実・向上に関する知識・技術を学ぶ。
栄養科学
食品の成分と栄養、及び食生活の充実・向上に関する知識・技術を学ぶ。

原材料の生産から加工までをトータルで学習するため、岩の原ぶどう園でブドウの栽培管理と生産物の加工実習を行っています。

実験実習の風景

専門教科

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